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QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その13

公開日: : CLASSIC, 試聴記, QUADRAL, SEDAN 9

シベリウスは、
交響詩「フィンランディア」、
交響曲第2番、
ヴァイオリン協奏曲がやたらと有名ですが、
室内楽やピアノの独奏曲にも、
佳曲と言える作品が少なくありません。
といいつつ、
最近、小生もあまりシベリウスを聞いていないので
大きなことは言えません。
シベリウスにはピアノ曲の大曲がないので、
そう感じるのかもしれません。

そこで、
新しくリリースされた、
ノルウェーのピアニスト、
レイフ・オヴェ・アンスネスによる、
ピアノ小品集を買ってみました。


最初に収録されている、
即興曲第5番と第6番から、
センチメンタルで優しいメロディにメロメロになりそうです。
さらに素晴らしいのは、
その録音です。
即興曲第5番では、
キラキラと流れるようなピアノの音が左右いっぱいに拡がり、
ピアノソロの録音にたまにある、
音場感の偏りとか抜けが全くありません。
周波数の上下も見事です。
スタンウェイの音も美しく録音され、
眼前に、
シベリウスの哀愁を含んだ楽曲を堪能できます。
SEDAN 9は曖昧さの少ない、
その録音の真正な音を聞かせてくれるスピーカーですが、
その真価がこの最新録音で、
いかんなく発揮されています。

シベリウスのピアノ曲は、
以前、全集を持っていたのですが、
抒情味の少し薄めのピアノで、
ペダリングや録音の問題かな?
と思いましたが、
アンスネスのピアノは過度にならない範囲のしっかりとした抒情、
そのペダリングの上手さや、
ピアノタッチの強弱の素晴らしい付け方が光り、
地味ともいえるシベリウスのピアノ曲に寄り添ってゆきます。
まるでシベリウスの描く風景画の中を、
アンスネスのピアノで案内してもらっているようです。

ここで、CDプレーヤーを、
PIONEER PD-T06から、Accuphase DP-70という、
古~いCDプレーヤーに変えてみました。
1987年発売のDP-70は30年前と古いCDプレーヤーで、
一度メンテナンス、
家ではまだ現役で、
トレイの開閉が非常に速く、
何かの音源を聞き比べたいときには、
聞いた音の記憶が勝負になるときがあり、
非常に重宝しているプレーヤーです。
PD-T06の少し華やかな音が、
より重心の低い、落ち着いた音に変化、
例えば「キュリッキ(3つの抒情的小品)」では、
ダイナミックレンジが広く、
スケールも広大で、
シンフォニックといえるピアノ曲を、
細部までアンスネスのピアノの粒立ちの良い音で、
がっちりと聞かせてくれます。
SEDAN 9はどちらのCDプレーヤーも、
魅力的に音の差異を楽しませてくれます。

トラック9に、
管弦楽曲でも有名な「悲しいワルツ」が収録されています。
管弦楽では少しあいまいに聞こえることもあるこの楽曲が、
アンスネスのピアノではしっかりとしたメロディとリズムが聞こえ、
一音一音の確実な長さ、ペダルの工夫も並ではなく、
メロディは同じでも、
管弦楽とは違った、
少し尖がり気味の楽曲に聞こえてくる箇所もあります。
「悲しいワルツ」は物語性の強い楽曲で、
瀕死のヒロインが2回楽し気な追想から醒め、
残酷な現実に立ち戻る場面がありますが、
2回目の追想から醒めるあがきと苦悶の音楽は、
なかなかに凄いドラマになっています。

アンスネスによるシベリウスのアルバム1枚、
そのシベリウス独特の抒情、
アンスネスの優れたピアノ、
優秀な録音に、
しばし、時間を忘れて聞き入ることができました。


なお、販売はブラックになります。
SEDAN 9
型式:2ウェイ バスレフ型 ブックシェルフスピーカー
定格出力:120W
ミュージックパワー:180W
再生周波数帯域:33Hz~65,000 Hz
クロスオーバー周波数:2800 Hz
能率 (dB/1W/1m):85 dB
インピーダンス:8 Ω
ツイーター:quadral quSENSE® リボン型
ウーハー:180 mm φ quadral ALTIMA®
レベルコントロール:トゥイーター±2dB
外形寸法 (高さx幅x奥行):39 x 23 x 35 cm
重量:14.5 kg(1本)
価格:570,000円(税別・ペア)

なお、SEDAN 9(ブラック)は入荷しております。
全国のQUADRALを扱っていただいている、
オーディオ専門店でご注文可能です。
ぜひ専門店でご注文ください。
ただ、近くにオーディオ専門店がない、
あるいはネットショップなどでアカウントがない、
という方は、以下からご注文可能です。
SEDAN 9通販ページへ

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