ARGENTUM520 試聴記その4
ARGENTUM520は入庫数が少ないため、
NWJ-STOREを中心にした販売です。
今回はLP。
30cm45回転のレコードです。
最近まで、30㎝45回転LPは収録時間が短く、
小生が普段聞くような、
長い交響曲やオペラでのリリースはないため、
あまり意識していませんでした。
ところが、
中古レコードフェアで30cm45回転、
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の、
チャイコフスキー:イタリア奇想曲、
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲を発見、
33回転盤はすでに家にありますが、
へ~、どんなんだろう?
と関心が湧き、購入してみました。
CBSが日本でSONYから発売される前、
日本コロンビア時代のLPです。
チャイコフスキーの先祖はウクライナ人なのですね。
知りませんでした。
ぶったまげました。
凄い!
Dレンジ、Fレンジとも広大で、
こういう音が聞けるとは思ってもみませんでした。
通常使いのスピーカーやヘッドフォンでも凄い音ですが、
SIGNUM20やARGENTUM520でも凄い音が聞けます。
これだけ凄い音が聞けると、
いろいろと欲が出てきてしまい、
中古盤で30㎝45回転盤を漁るようになってしまいました。
SIGNUM20、
そして現在試聴しているARGENTUM520でも、
ウヒャー!というくらいの音がします。
小生も年寄りの端くれですので、
あまり長い音楽よりも30㎝45回転盤に収録されているくらいが、
丁度良くなったのかもしれません(^^;;;;。
高域特性はSIGNUM20の方が良いのは分かっていましたし、
解像度でも同じことが言えますが、
ARGENTUM520の懐の深い音がここでも幸い、
グレードとしてはカジュアルな位置のスピーカーながら、
オーケストラの楽器の位置が手に取るように分かります。
小さくカジュアルなブックシェルフスピーカーから、
オーケストラのこういう音が出てくるのは凄みがあります。
次に、
同じ30cm45回転盤で、
宮沢明子さんのピアノ独奏曲。
今はなき第一家庭電器のDAMでリリースされたLPですね。
録音が素晴らしく、
ピアノの細かなニュアンスまで、
見事に再現してくれます。
「乙女の祈り」や「エリーゼのために」なんてのも入っています。
「乙女の祈り」はやはり通俗曲と言われる通り、
作品としてはふーん...ですが、
収録されているピアノの音はなかなかに凄いです。
宮沢さんの強弱をつけた打鍵で、
ハンマーがピアノ線を叩く細かなニュアンスまで聞こえてきます。
「エリーゼのために」は改めて聞くと名曲ですね。
同じく、ピアノの音が素晴らしく、
ピアノのすぐそばで聞いているような雰囲気です。
これは残念ながらSIGNUM20では試聴できませんでしたが、
小型ブックシェルフとして、ARGENTUM520は合格です。
フォルテシモの強い打鍵からピアニシモの柔らかな打鍵まで、
きちんと再現してくれます。
QADRAL特有のボディのある音は素晴らしいですね。
ちなみに、LPの帯に「マニアを追い越せ!大作戦」と書いてありますが、
30cm45回転のLPなんてマニアしか買わないだろう...
と、突っ込みを入れたくなるのでした(^^;。
ちなみに、
小生は今、普及クラスのMCカートリッジDENON DL-103を、
FIDELIX MITCHAKU-Zというヘッドシェルに付けて聞いています。
変な形をしていますが、効果は抜群です。
ターンテブルシートは4+4mmガラスのSONIC IMPACT TGTS01
(今、欠品中なのは商売としても痛い^^;)です。
少し調整が大変ですが、
レコードの外周から最内周まで、
驚くべきクオリティとリニアリティで再生してくれます。
ARGENTUM520は、
エントリーモデルといいながら、
さらにその上のグレードを感じさせます。
音楽をちゃんと聞きたいという方、
生活の中にいい音を取り込みたいけど、
巨大なシステムを組みたくない方には、
まず、ARGENTUM520はいいですよ。
実際、小生はほぼクラシックばかりを聞いていますが、
フュージョンやロックが好きな知人は、
ARGENTUM520の音を大いに気に入っているそうです。
次は、ジャズやポップスを聞いてみよう(^^)。
【スペック】
型式:2ウェイ
基本デザイン:バスレフ型入力:定格60W/最大90W
周波数特性(Hz):45~35,000Hz
クロスオーバー周波数(Hz):3.000Hz
能率(dB/1W/1m):87dB
インピーダンス(Ω):4Ω
ユニット構成:Tweeter φ25mm シルクドーム型トゥイーター
Woofer φ155mm Titanium-PP
サイズ (高さx 幅 x 奥行):H31.0cm×W16.5cm×D25.0cm
重量:5.06kg(1本)
価格 / ペア:66,000円(60,000円 + 消費税)
こちらからお買い求めいただけます。
ブラック
https://nwj-store.jp/item/quadral-argentum-520-black.html
ホワイト
https://nwj-store.jp/item/quadral-argentum-520-white.html
また、さらに数は少ないですが、
トールボーイのARGENTUM570もあります。
https://nwj-store.jp/item/quadral-argentum-570-black.html
kna_baka@syuzo
関連記事
-
QUADRAL GALAN 9 試聴記 その11
フランスには、 器楽曲や室内楽に優れた録音がたくさんあります。 今回のアルバムは、 フ
-
QUADRAL ASCENT20LE 試聴記 その8
夏は涼し気な音楽が聴きたくなってしまいますが、 ここは少し暑いともいえる EMIのオット
-
QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その13
シベリウスは、 交響詩「フィンランディア」、 交響曲第2番、 ヴァイオリン協奏曲がやた
-
QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その9
アンプをAccuphase E-306Vから、 LUXMAN L-540に変えてみました。
-
QUADRAL RHODIUM200 試聴記 余録
QUADRAL RHODIUM200は残念ながら販売終了ですが、 幸い試聴機はいまだに家に
-
QUADRAL ASCENT20LE 試聴記その2
ASCENT20LEが我が家にやってきて、 試聴を開始したのですが、 最初は置き方が悪か
-
QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その4
今回は合唱曲を聞いてみました。 フォーレとデュリュフレのレクイエムです。 ミシェ
-
AURUM RODAN9試聴記3
延べ120時間のエージングを終え、AURUM RODAN9のエージングチェックをしてみました。
-
QUADRAL RHODIUM200 試聴記 その4 一家に1台パラメトリックイコライザー
今、以前なら考えられなかったことをいろいろ実験中です。 あらいぐま堂のブログと一部内容がダ
-
QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その7
SEDAN 9は古楽器の演奏録音にもいいのでは? ということで、ロンドン・バロックの