TGTS01 試聴記 その13
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試聴記, CLASSIC, SOUND MAGIC
小生が試聴に使っているのは試作品です。
製品版TGTS01も試聴しましたが、試作品よりもずいぶんといいですね(^^)。
なお、TGTS01はSONIC IMPACTというブランド名での発売です。
冨田勲(synth)
ホルスト:「惑星」
故・冨田勲氏による、
一連のクラシックの楽曲をシンセサイザーで多重録音したアルバムは、
小生にとって忘れられないレコード群です。
その中でホルスト:「惑星」は、
独特の位置を有しています。
ホルストは「惑星」の編曲などを禁止していましたので、
リリースできるかどうか危ぶまれていました。
それが実際にリリースされた時、
一部には「やり過ぎ」とか「アニメを見ているみたい」という、
否定的な意見も少なからずありました。
実は、最初は小生も少し否定的でした。
でも、しっかり聞き込むと、
その富田ワールドに否応なく飲み込まれてしまいました。
バックグラウンドノイズの緻密な構成、
冨田氏流の色彩感豊かな音色の選択など、
それは驚くべき成果でした。
今では、より冨田氏の音響デザインに合わせた、
DVD-Audioの4.1チャンネルや、
SACDの5.1チャンネルも発売されていますが、
小生はやっぱり2チャンネルの普通のステレオで聞いています。
CD時代、通常の2チャンネルCDにも期待したのですが、
音がスカスカ気味で、大きく失望したことを覚えています。
最近、中古LPで冨田盤「惑星」を買い直し、
TGTS01効果のリニアリティのよさで、
冨田氏の描く、
「惑星」を素材にしたファンタジーの世界にどっぷり浸りました。
とにかくTGTS01効果というのは侮れないものがありますね。
イコライジングカーブはいろいろと試しましたが、
家の装置ではRIAAカーブが一番自然でした。
冒頭のロケットが宇宙に飛び立つ音から、
自分がロケット発射のすぐそばで見ているような臨場感があります。
レコードのリリース当時、
4チャンネルレコードが廃れてしまっていたことから、
冨田氏は2チャンネルステレオでのレコード化を余儀なくされましたが、
2チャンネルであっても、
冨田氏は万全のミキシングを行っていたことが分かります。
あらためて聞き直して、
凄いですね、このレコード。
ジョルジュ・ロベール(org)
クープラン:小教区のためのオルガン・ミサ
これはフランスCharlinの国内盤LPです。
レーベルの主宰者で録音エンジニアでもあった、
アンドレ・シャルランによるワンポイントマイク・ステレオ録音で、
Charlin盤は、
CDではいまいちその真価が伝わりにくい録音でもあります。
それに、マスターテープが紛失したり劣化したりで、
CD化は難しいという記事をどこかで見た記憶があります。
そのため、CD復刻盤の多くはレコードからの板起こしでした。
Charlinの復刻盤と言うだけで、
どれだけ多くのCDを買って、
どれだけ失望したことでしょうか。
それだけ、小生はCharlinの音が好きだということですが、
LPでこそ、その効果が発揮できるよう、
マスタリングされていたのかもしれませんね。
Charlin盤の難点は、
輸入盤ではジャケットデザインが2つしかなく、
国内盤でもそのデザインが踏襲されているものが多かったりして、
どれもこれも、ほぼ同じジャケットデザインですので、
中古盤屋で見かけても、
持っているのか持っていないのか、
判然としなくなってしまうことでしょうか(^^;。
そのため、家にはダブりが何枚か...。
日本では、オルガンと言うとドイツ!
というイメージがありますが、
小生などはオルガンと言われると、
ドイツに加えて、
フランス!となってしまうところがあります。
フランスは、
ドイツ以上にオルガン音楽が盛んでした。
まぁ、ヨーロッパは教会がいたるところにありますから、
オルガンやオルガン音楽もそれだけ数が多いということになりますが。
オルガン音楽は元々インプロビゼーションで弾かれることが多く、
それだけ音楽も豊かだということになります。
スカンジナビア半島からイベリア半島、
南ヨーロッパから中部ヨーロッパ、ロシアに至るまで
(もちろんイギリスやアイスランドも^^;)、
あ、というより世界中いたる所にオルガンを擁した教会、コンサートホールがありますね。
日本も!
てなところで、いろいろな地域のオルガンによる音楽を
さまざまなレコードやCDで聞くことができます。
特にフランスは、
古楽だけではなく、
近代から現代にいたるまでオルガン音楽が非常に盛んで、
録音も多いところから、
余計に印象に残っているのかもしれません。
今回のCharlin盤クープランの曲集を、
TGTS01とNew Orthophonicもどきで聞くと、
オルガンを取り巻く空気感(アンビエントノイズ=暗騒音がけっこうあります)、
音像の定位感、幾分華やかなオルガンの音色の変化に、
酔いしれながら聞くことができました。
特にTGTS01のもたらすリニアリティは素晴らしく、
このクープラン:小教区のためのオルガン・ミサは、
オーディオ的には相当厳しい音が収録されていますが、
なんなく最初から最後まで、
同じクオリティで再生できてしまいます。
その上、付属のゴムシートでは味わえない音の奥行きと立体感がしっかりと聞け、
ワンポイントマイク・ステレオ録音の
魔術的ともいえる音場感に浸ることができました。
なんでもやってみるもんだなと思います。
どういうシステムで聞いているかはTGTS01 試聴記 その1に。
商品の紹介はこちら
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