QUADRAL ASCENT20LE 試聴記 その7
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ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番もそうでしたが、
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲も、
近接した時期に2種類の新録音を聞きました。
1枚はパトリツィア・コパチンスカヤ盤、
もう1枚はリサ・バティアシヴィリ盤です。
バティアシヴィリは、
サイトによっては「バティアシュヴィリ」でしたが、
最近は「バティアシヴィリ」と表記されることもあります。
なかなか難しいですね(^^;。
小生はSONY時代のベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲から、
バティアシヴィリ・ファンです。
コパチンスカヤ盤はその先鋭な演奏内容に賛否両論ですが、
小生は非常に面白く聞きました。
でも、コパチンスカヤ盤だけを聞くと、
同曲を誤解してしまいそうで、
刺激的で「大変な演奏録音」には違いないですが、
やはり他の演奏録音を先に聞いておくべきだと思えます。
同曲の名盤はいっぱいありますから。
さて、小生は「どちらが好みか?」
と聞かれたら、
躊躇なくバティアシヴィリ盤です。
なによりヴァイオリンの音色が美しく、
破綻がありません。
でも、今回のお題はチャイコフスキーではなく、
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲です。
しかも新譜のチャイコフスキーとフィルアップされている新しい録音ではなく、
前にSONYから出た2006年の録音です。
実は新譜のシベリウスが非常に良かったので、
「そうだ!前にも出ていたな」と思い出して慌てて購入、
その新鮮で鮮烈な演奏に、
すっかり前の録音も気に入ってしまいました。
それに、フィルアップされているリンドベルイのヴァイオリン協奏曲も、
その録音の良さにすっかり聞せき惚れてしまい、
遅まきながらSONY盤シベリウス/ヴァイオリン協奏曲と、
リンドベルイ/ヴァイオリン協奏曲の1枚が、
大のお気に入りになってしまいました。
新譜の伴奏は、
ダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリンですが、
旧盤はサカリ・オラモ指揮フィンランド放送交響楽団です。
新旧とも大変優れた演奏録音です。
特に旧盤は演奏も素晴らしいですが、
録音も優秀で、
バティアシヴィリのヴァイオリンの美音が気持ちよく前面に出てきます。
前述のように「新鮮」とか「鮮烈」という言葉がよく似合います。
小生はこのところ、
ASCENT20LEの音にすっかり慣れ、
スピーカーをほとんど意識しないで、
浸りこんでさまざまな音楽を聞いていますが、
この録音も自然に聞けてしまいました。
ASCENT20LEの高域特性の優秀さが、
よりバティアシヴィリのヴァイオリンの音色を、
美しく聞かせてくれているようです。
シベリウスだけではなく、
リンドベルイの協奏曲は、
深くて広い管弦楽の音が素晴らしく、
ASCENT20LEで、
ズブズブと深みにはまるように聞けてしまったのでした。
バティアシヴィリのドイツ・グラモフォンの新譜は、
さらに円熟味が加わり、
ヴァイオリンの音色がより美しくなっています。
シベリウスでは若いころの鮮烈なバティアシヴィリ、
新譜ではより楽曲に寄りそい、
美しい音色のヴァイオリンを聞かせるバティアシヴィリ、
どちらも愛聴盤になりそうです。
もちろん、
新譜のチャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲も非常に素敵です。
ASCENT20LE
【スペック】
ASCENT 20LE (アセント20LE)
型式:2ウェイ
基本デザイン:バスレフ型入力:定格60W/最大90W周波数特性(Hz):40~46,000Hz
クロスオーバー周波数(Hz):2.700Hz
能率(dB/1W/1m):86dB
インピーダンス(Ω):4~8Ω
ユニット構成:Tweeter φ25mmAluドーム型トゥイーター
Woofer φ135mm Titanium-PP
サイズ:H30.9cm×W17.7cm×D27.0cm
重量(kg)1台:5.15kg
ターミナル:ゴールドコンタクト シングル・ターミナル
価格:ペア 138,000円(税別)
仕上げ:マットブラック
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