QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その17
SEDAN 9の試聴記は、
一応これで最後となります。
試聴記の割に長く続けることができました。
SEDAN 9とお別れするのは少し寂しいですが、
まあ、仕方ないですね(^^;。
このところ、
CDを聞くよりも、
LPを聞く方が多くなっています。
今回は、
あらいぐま堂のブログと、
記述がダブりますが、
毎日のように聞いているのが、
トスカニーニによる1947年11月24日、
NBC交響楽団とのカーネギーホールでのセッション録音の、
チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」です。
いやにエコーが盛大だな...と思ったら、
いつものスタジオ8Hではなく、
聴衆が入っていない、
ガランとしたカーネギーホールでの録音でした。
LPは日本ビクターから出ていた国内盤で、
AT-1053というトスカニーニ・エディションの普及廉価盤です。
実は以前、このLPの音が好きではありませんでした。
高域にエネルギーが固まり、
低域の薄い音で、
ギスギスした印象がありました。
それを最近入手した、
MUSICAという日本のアンプメーカーの、
RAICHO 3 フォノアンプを購入、
このフォノアンプにはプリセットで、
6つのイコライザーカーブがセットしてあり、
カーブを切り替えながら聞いてみました。
AT-1053は1960年以降のリリースですから、
RIAAカーブのはずなのですが、
RIAAカーブで聞くと結果はあまりよくありません。
以前持った印象通りです。
そこで、oldAESとoldNABというカーブがプリセットされていますので、
それで再生すると、
驚くほどの好結果が得られました。
oldNABでは中域に少し癖が出るので、
oldAESの方が良いみたいです。
高域はやや不足気味ながら低域が豊かになり、
ティンパニーの音やコントラバスが非常にしっかりと聞こえます。
そうすると、セカセカ気味に聞こえたトスカニーニによる「悲愴」が、
緊張感をはらみながらも、
非常にゆったりとした音楽に聞こえてくるから不思議です。
おそらく、マスターは独自のカーブであったと思われます。
この結果に気をよくした小生は、
19日に東京で開催した「QUADRALでクナを聞く」でも、
一つの実験として、
RIAAカーブで録音した「悲愴」第3楽章と、
oldNABで録音した同じ楽章を、
来場者にSEDAN 9で試聴してもらいました。
クナッパーツブッシュの会でトスカニーニ、
というのも変な話ですが、
実験は大成功、
驚くほどよく響く低域が試聴室を満たしました。
拙宅ではJBL4312とSEDAN 9でその音の変化と威力をすでに聞いていたのですが、
さらにSEDAN 9で大音量にして聞くと、
得も言われぬ快感がありました。
トスカニーニの「悲愴」が大変な名演の記録であり、
当時の録音技術の優秀さがよく分かります。
SEDAN 9という、
比較的小さな筐体のスピーカーから、
低域の充実感を含め、
もの凄いエネルギーの音が聞けたことも脅威的です。
これに気をよくした小生は、
あれこれ中古盤LPを漁る結果になっています。
CDではその再生音に不満のあった、
ジョン・バルビローリ指揮のマーラー/交響曲第5番と第9番のLPを中古で入手、
CDではチャンネルセパレーションがあまりよくないリマスタリングであったのか、
と気づかされたり、
旧ソヴィエトMELODIYA盤をカーブを変えて聞くとか、
ウィレム・メンゲルベルクの古いLPとか
トスカニーニだけではなく古いモノラルのLPも、
あれこれ聞いては楽しんでいます。
今回は、
そのトスカニーニによるチャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」
第3楽章をRIAAとoldAESで録ったものをアップロードします。
あくまで研究・実験用です。
前述のように、
たぶんオリジナルカーブであったと思われますので、
oldAESではやや高域不足です。
それでも、雰囲気を聞いていただけたらと思います。
LPが古いのでピチパチノイズや、
oldAESはステレオカートリッジで録ったためか、
低域のサーフェスノイズが盛大ですのでご容赦を(^^;。
RIAA
AES
さて、
次はどんなスピーカーが試聴機で回ってくるのやら、
楽しみではあります。
なお、販売はブラックになります。
SEDAN 9
型式:2ウェイ バスレフ型 ブックシェルフスピーカー
定格出力:120W
ミュージックパワー:180W
再生周波数帯域:33Hz~65,000 Hz
クロスオーバー周波数:2800 Hz
能率 (dB/1W/1m):85 dB
インピーダンス:8 Ω
ツイーター:quadral quSENSE® リボン型
ウーハー:180 mm φ quadral ALTIMA®
レベルコントロール:トゥイーター±2dB
外形寸法 (高さx幅x奥行):39 x 23 x 35 cm
重量:14.5 kg(1本)
価格:570,000円(税別・ペア)
なお、SEDAN 9(ブラック)は入荷しております。
全国のQUADRALを扱っていただいている、
オーディオ専門店でご注文可能です。
ぜひ専門店でご注文ください。
ただ、近くにオーディオ専門店がない、
あるいはネットショップなどでアカウントがない、
という方は、以下からご注文可能です。
SEDAN 9通販ページへ
kna_baka_syuzo
関連記事
-
帰ってきたASCENT20LE試聴記 その3
2013年に85歳で亡くなったコリン・デイヴィスは、 一時期、飛ぶ鳥を落とすような勢いがあ
-
QUADRAL GALAN 9 試聴記 その6
今回でクナッパーツブッシュの音源試聴はラストです(^^;。 ハンス・クナッパーツブッシ
-
QUADRAL ASCENT20LE 試聴記 その8
夏は涼し気な音楽が聴きたくなってしまいますが、 ここは少し暑いともいえる EMIのオット
-
SONIC IMPACT TGTS01復活試聴記その3
オーケストラ、ポップスと続きましたので、次はクラシックでピアノです。案外、アナログでのピアノ
-
QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その12
親子二代にわたって指揮者、 兄弟も指揮者という、 珍しい存在がパーヴォ・ヤルヴィです。
-
AURUM RODAN9試聴記7
AURUM RODAN9の試聴は、Classicのアナログのダイレクトカッティング盤、3枚をチョイス
-
QUADRAL GALAN 9 試聴記 その12
今回は弦楽四重奏曲でも、かなり古い録音です。 1937年10月7日に録音された、 ブッシ
-
QUADRAL ASCENT20LE 試聴記 その10
今回でASCENT20LE試聴の最後です。 ASCENT20LEを試聴してきて感じるの
-
QUADRAL GALAN 9 試聴記 その13
GALAN 9は、 室内楽、器楽曲、独唱曲に、 信じられないくらい抜群の威力を発揮します
-
QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その1
今回から、 QUADRALのハイエンド・ブックシェルフ型スピーカー、 AURUM SED
- PREV
- QUADRALチーフエンジニア来日
- NEXT
- 京都祇園お座敷