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QUADRAL GALAN 9 試聴記 その2

公開日: : 最終更新日:2017/06/10 試聴記, CLASSIC, QUADRAL, GALAN 9

エルネスト・アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団は、
DECCAの黄金コンビでした。
DECCA自体、
スイスのモーリス・ローゼンガルテンが幹部でしたので、
アンセルメとDECCAは非常に結びつきが強かったといえます。
アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団のレコード録音は、
ホームグランドであるジュネーヴのヴィクトリアホールで行われました。

ヴィクトリアホールは、
機材の置き場所や、
ミキシングルームの適当な場所がないなど、
非常に使いにくいホールであったそうですが、
レコーディングには大変適していた、
と、DECCAの看板エンジニア兼プロデューサー
ジョン・カルショーはその回想録に書いています。
アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団の録音は大変音が良く、
DECCAマジックとも言われました。
アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団が1968年に来日した時、
「録音に騙された」という音楽ファンが少なからずいたそうです。

アンセルメがレコード録音に残した遺産は夥しく、
その全貌はなかなか掴めないほどですが、
小生は子供のころからアンセルメのレコードに親しんできました。
今でも、フランス音楽やロシア音楽(ストラヴィンスキーが中心ですが)に、
果たしてアンセルメをしのぐ業績を残した人がいるだろうか?
と、思えるほどです。

試聴用GALAN 9が届いて、
アンセルメの演奏録音でまず聞いてみたのが、
プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲です。
ヴァイオリンはルッジェーロ・リッチで、
録音は1958年です。
ルッジェーロ・リッチはイタリア人の名前ですが、
アメリカ生まれ、アメリカ育ちのヴァイオリニストなのですね(^^;。
ただ、ドイツに留学、クーレンカンプの弟子であったそうですので、
ヨーロッパ流の演奏技術も身につけていたようです。

この、ヴァイオリン協奏曲第1番と第2番の録音は、
楽曲、演奏、録音の三拍子が揃った、
大変素晴らしい演奏録音です。
2017年の今、
1958年の古い録音が、
さっき録音したばかりのような生々しさで迫ってきます。
GALAN 9は解像度と周波数特性に非常に優れたスピーカーで、
DECCAの優秀録音を余すところなく聞くことができます。
これだけよい音で聞こえると、
録音技術は本当に進歩したのか?
などと不遜なことが頭に浮かぶほどです。

LP時代は、
1枚ずつ買ったアンセルメのコレクションがあったのですが、
既に手放してしまいましまた。
CDではそれほど多くを買い直していず、
あれこれ、こぼれてしまっているアンセルメの録音が聞きたくなり、
大部なアンセルメ・ボックス3巻を買ってしまいました。
GALAN 9は罪作りなスピーカー、
アンセルメのプロコフィエフも罪作りなCDです(^^;。


【GALAN 9のスペック】
形式:2ウェイ バスレフ
出力:80/140 W
周波数特性:36…65.000 Hz
クロスオーバー周波数:2900 Hz
能率:85 dB
インピーダンス:4Ω
トゥイーター:quadral quSENSE アルミニウム リボン
ウーファー:155mm quadral ALTIMA
寸法(w x h x d):33 x 21 x 29 cm
重量:10 kg/1台

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