QUADRAL GALAN 9 試聴記 その3
小生の聴く音楽の本丸(^^)。
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮による、
ワーグナー「ニーベルングの指環」1957年バイロイトライブ。
1957年の「ニーベルングの指環」は、
SACDも発売されていますが、
元のソースに問題があり、
小生は入手していません。
相変わらずリファレンスになっているのは、
GOLDEN MELODRAM盤です。
現在は、少し入手しにくいようです。
後発のWALHALL盤も聞いています。
WALHALL盤は、
歌手の歌声がGOLDEN MELODRAM盤よりもクッキリしていて、
こちらを好む方もおられると思います。
ただ、雰囲気はGOLDEN MELODRAM盤の方が豊かです。
1956年、1957年、1958年、クナッパーツブッシュの
バイロトにおける3年分の「指環」が入ったVENIASのボックス、
「Hans Knappertsbusch The Collection Vol.2」は、
GOLDEN MELODRAM盤とWALHALL盤の中間のような音で、
なかなかいい音なのでお薦めできます。
GALAN 9でGOLDEN MELODRAM盤を試聴、
「ワルキューレ」第1幕をCDプレーヤーに入れると...。
おお!前奏曲から素晴らしい音です。
元々、モノラルながら良質な放送音源ですので、
その嵐の音楽である深みのある前奏曲は、
もの凄く聞き手に迫ってくる音になっています。
ズン!と響くコントラバスの響きの威嚇的ながら心地よいこと!
ジークムントはラモン・ヴィナイ、
ジークリンデはビルギット・ニルソン、
フンディングはヨーゼフ・グラインドルで、
前奏曲が終わってから、
歌手が出てからも、
まるで前方の席の客席に座って聞いているような生々しさです。
ヴィナイの張りのある声、
ニルソンの高音、
グラインドルの迫力のある歌声、
そして、何より素晴らしいのが、
クナッパーツブッシュの作り出す管弦楽です。
渦を巻くような管弦楽を聞くことができます。
どこを取っても、やはり最高の「指環」を聞くことができます。
オーディエンスノイズの咳があちこちから聞こえますが、
モノラルなのに立体感を感じさせる音で、
「ワルキューレ」第1幕のドラマが迫ってきます。
GALAN 9の再現能力の高さは凄いものがありますね。
時間があれば、
「ワルキューレ」だけではなく、
「指環」全曲を通して聞きたいところですが、
今まで何回も全曲を聞いたため、
オペラそのものの体感時間はそれほど長くはないのですが、
ワーグナーのオペラはやはり物理的な時間が長く、
なかなか、一気に、とはいかないのは辛いところです。
GALAN 9の解像度の高さ、
Fレンジ、Dレンジの広大さが、
クナッパーツブッシュ1957年ライブでも功を奏しているようで、
その神話的世界に引きずり込まれそうです。
...たまらなくなって、
「ワルキューレ」第3幕の終盤、
ブリュンヒルデがヴォータンに眠らされる場面から。
ブリュンヒルデをアスアストリッド・ヴァルナイ、
ヴォータンはハンス・ホッターです。
やはり凄いです。
ホッターは、
「指環」以外のどれを聞いても、
ヴォータンに聞こえてしまうほどのはまり役です。
ヴァルナイの柔らかでいて、
芯のある力のこもった歌声も凄いですし、
ホッターのヴォータンを聞いてしまうと、
他の歌手によるどのヴォータンにも満足できなくなってしまうほどです。
そして、
やはり雄弁でどこまで音が拡大してゆくのだろう?
と思えるほどの巨大な管弦楽のスケール!
「さようなら、愛しいわが娘」のホッターには泣けます。
GALAN 9はモノラルの放送音源でも、
もの凄い威力を発揮することが分かりました。
QUADRAL AURUM 9シリーズでは最も小さいブックシェルフですが、
ニアフィールで聞いていると、
ブックシェルフであることを忘れます。
恐るべき解像度、周波数バランスです。
【GALAN 9のスペック】
形式:2ウェイ バスレフ
出力:80/140 W
周波数特性:36…65.000 Hz
クロスオーバー周波数:2900 Hz
能率:85 dB
インピーダンス:4Ω
トゥイーター:quadral quSENSE アルミニウム リボン
ウーファー:155mm quadral ALTIMA
寸法(w x h x d):33 x 21 x 29 cm
重量:10 kg/1台
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