QUADRAL ASCENT20LE 試聴記 その5
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世に一度出たきりで、
その後廃盤になってしまうCDが少なくありませんが、
廃盤になって、
とっても残念な録音が多々あります。
小生の棚にあるその筆頭とも云えるCDが、
1993年録音の、
ポール・クロスリーのピアノによる、
セザール・フランクのピアノ曲集です。
実は、小生も廃盤になってから後、
かなり探し回り、
たまたま入った中古ショップで見つけ、
ようやく入手できたのでした。
今回はそのクロスリーによるフランクを
ASCENT20LEで試聴しました。
クロスリーはグリュミオーとフランクのヴァイオリンソナタ、
ジュリーニと交響的変奏曲を録音しており、
フランクはこの録音だけではありませんが、
このピアノ曲集は小生のものすごい愛聴盤になっています。
フランクのピアノ曲集は、
コルトーをはじめ(古いな^^;)、
ティッサン=バランタン、チッコリーニ、デムス、
その他楽曲ごとにいろいろなピアニストの録音を聞きましたが、
今のところクロスリー盤がマイ・フェヴァリッツです。
録音が非常に良いからでもあります。
最初の、オルガン曲からピアノ用に編曲された、
「前奏曲、フーガと変奏曲」から、
落ち着いた深いピアノの音色が特徴で、
続く
「前奏曲、コラールとフーガ」、
「極めて遅い舞曲」、
「前奏曲、アリアと終曲」
「コラール 第3番」まで、
素晴らしい楽曲、演奏が並んでいます。
フランクのピアノ曲は題名が地味なので、
これだけロマンティックな音楽であるということが、
案外知られていないのかも知れませんね。
題名だけ見ていると、
まるで、
ブクステフーデやJ.S.バッハのオルガン曲みたいですもんね。
でも、
テレビドラマの主題曲にしてもおかしくない魅力が詰まっています。
クロスリーのこの録音も非常に素晴らしく、
当時最先端であった20bitで録られた音は、
余裕をもってその広大なダイナミックレンジを聞くことができます。
ASCENT20LEで聞くと、
ピアノの音は多少華やかさはあっても、
楽曲やクロスリーの演奏が持つ落ち着いた響きの、
「渋み」がきちっと再現されています。
クロスリーはイギリス出身のピアニストで、
フランスで学びました。
最初の頃は現代音楽の録音が多かったですが、
奔放さよりも、手堅さを感じさせるピアニストです。
フランクのピアノ曲集も、
手堅さと情感の両方を聞くことができます。
クロスリーは、
コンクールでは大きなタイトルを得ていませんが、
その安定したピアノが人気を呼び、
一時、レコーディングの数は半端ではありませんでした。
でも、このところ名前を全く聞かなくなり、
レコーディングからも遠ざかっているようです。
クロスリーはラヴェルやフォーレの録音が有名ですが、
フランクでも素晴らしい演奏を聞かせてくれています。
ASCENT20LEで、
クロスリーの確かなピアニズムと、
フランクの、
思いっきりロマンティックな楽曲を堪能できました。
なにより、
スピーカーを全く意識せず、
音楽に没入することができました。
これは素晴らしいことだと思います。
ASCENT20LE
【スペック】
ASCENT 20LE (アセント20LE)
型式:2ウェイ
基本デザイン:バスレフ型入力:定格60W/最大90W周波数特性(Hz):40~46,000Hz
クロスオーバー周波数(Hz):2.700Hz
能率(dB/1W/1m):86dB
インピーダンス(Ω):4~8Ω
ユニット構成:Tweeter φ25mmAluドーム型トゥイーター
Woofer φ135mm Titanium-PP
サイズ:H30.9cm×W17.7cm×D27.0cm
重量(kg)1台:5.15kg
ターミナル:ゴールドコンタクト シングル・ターミナル
価格:ペア 138,000円(税別)
仕上げ:マットブラック
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