QUADRAL ASCENT20LE 試聴記 その6
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試聴記, CLASSIC, QUADRAL, ASCENT20LE
今回は、
知られざる作曲家の作品の素晴らしさと、
録音の素晴らしさに驚いた、
ジョルジュ・オンスロウ(オンスロー)の
チェロソナタ集を収録した1枚です。
ジョルジュ・オンスロウはフランス出身の作曲家で、
狩猟の時に鉄砲の事故で失聴、
耳が聞こえなくなり、
“フランスのベートーヴェン”などと言われますが、
故国フランスではなく、
まずドイツで認められた作曲家です。
1784年に生まれ、1853年に没していますから、
ベートーヴェンの少し後に活躍した人で、
古典派からロマン派への過渡期の作曲家と言えます。
その作品には室内楽が多く、
交響曲は4曲と少な目、
オペラはやはり4つの作品がありますが、
ヒット作に恵まれたのかどうかは分かりません。
作品の圧倒的な分量は室内楽であったため、
オーディオなどなかった時代、
規模の小さな室内楽を数多く作曲したことで、
大きな評価が後世に残りにくかったのかもしれません。
それにしては演奏難度の高い作品が多いですが...。
市民の演奏機会を中心に作曲されたロココ時代の作曲家というより、
ベートーヴェンという巨大な作曲家の影響をもろに受けた、
ロマン派との中間のような音楽です。
演奏は、
チェロにエマニュエル・ジャック、
フォルテピアノはモード・グラットンという、
フランスの俊英演奏家による録音です。
フランスの片田舎にあるヴィルファヴァール農場の、
優れた音響特性を持つホールで2012年に録音されました。
調べてみると、
ヴィルファヴァール農場ホールの優れた音響特性から、
ソロ、室内楽、室内オーケストラ、合唱曲までさまざまな録音があり、
どれも優秀録音ということですから、
イギリスのウィグモアホールのように、
レコード会社のエンジニアや、
演奏者を引き付けているのかも知れません。
これは要注目ですね(^^)。
ASECENT20LEで試聴すると、
チェロとフォルテピアノの音が隅々まで聞こえ、
また適度の残響は音楽に浸れる悦びに充ちています。
フロア型スピーカーや大型ブックシェルフスピーカーのような、
室内楽でよく感じる余裕のある大きなスケール感はありませんが、
ASCENT20LEはこのような室内楽録音で、
小型ブックシェルフの威力を発揮、
ニアフィールドで聞くと、
録音された音と聞く側に親密な空間を創り出してゆきます。
なんというか、録音された音と、
聞き手の距離を縮めるというか...。
高域特性がすぐれているため、
チェロが非常にのびやかで、
ピアノに比べてあまり低音のないフォルテピアノの伴奏であっても、
高域から低域までのバランスに不満が出ることはありません。
何より中域から高域にかけての空気感は、
素晴らしいものがあります。
店長は減衰の早いフォルテピアノの音はあまり好きではないのですが、
この録音では違和感が少なく聞くことができました。
ASCENT20LE
【スペック】
ASCENT 20LE (アセント20LE)
型式:2ウェイ
基本デザイン:バスレフ型入力:定格60W/最大90W周波数特性(Hz):40~46,000Hz
クロスオーバー周波数(Hz):2.700Hz
能率(dB/1W/1m):86dB
インピーダンス(Ω):4~8Ω
ユニット構成:Tweeter φ25mmAluドーム型トゥイーター
Woofer φ135mm Titanium-PP
サイズ:H30.9cm×W17.7cm×D27.0cm
重量(kg)1台:5.15kg
ターミナル:ゴールドコンタクト シングル・ターミナル
価格:ペア 138,000円(税別)
仕上げ:マットブラック
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