QUADRAL AURUM SEDAN 9 試聴記その6
今回もクナッパーツブッシュの録音、
DECCAのウィーン・フィルとの「ポピュラーコンサート」です。
1960年、クナッパーツブッシュDECCAへの最後の録音です。
古いキングレコード盤(KICC2104)と、
ポリグラムのCD(POCL-9764)を聞き比べてみました。
現在出ている同録音のCDは、
ほぼポリグラム盤を下敷きにしています。
キングレコード盤とポリグラム盤では曲順が異なり、
ポリグラム盤に収録されている
1957年のブラームス/大学祝典序曲と悲劇的序曲は、
キングレコード盤には含まれていません。
通常、ポリグラム盤の方が音がクッキリしていて、
少し腰高ですが、この方が音がいいという評価です。
小生も、ずーっとそう思っていました。
ところがSEDAN 9で聞くと印象が少し変わりました。
毎度書いている通り、
SEDAN 9の解像度、周波数特性は並ではなく、
それを含めても、
高域から低域のつながりが非常によく、
聴感上のイメージは極めて自然で、
スピーカーを意識せずに音楽が聴けてしまうという、
大きな特徴を持っています。
GALAN 9でも同じような聞き比べをやったのですが、
SEDAN 9ではその差がさらに顕著に聞こえました。
まず、ポリグラム盤はホワイトノイズが結構盛大で、
マスターテープそのままか、
周波数の上下を広げ、
高域は音をクッキリさせるために、
少しイコライジングで持ち上げた印象です。
キングレコード盤は国内盤LPの販売のため、
DECCAからテープの供給を受けていました。
CD化に際してホワイトノイズは極力抑えられ、
少し重心は低めの音作りです。
そのことが、
聴感上の大きな差となって聞こえてきます。
実はずっとポリグラム盤の方が音が良いと思っていたのですが、
今回SEDAN 9で聞くと、
キング盤の方が音が落ち着いていて、
もの凄く聞きやすいのです。
クナッパーツブッシュの演奏の一つの特徴である、
ヴァイオリン群の人懐っこいひそやかな息遣いから、
木管楽器や金管楽器の素朴ともいえる音が、
ポリグラム盤以上に魅力的に聞こえてきます。
SEDAN 9やGALAN 9の高域周波数特性は群を抜いていて、
なんちゃって周波数ではありませんので、
PIONNER PD-T06のレガートリンクコンバーションが上手く作用、
キング盤から質朴ながらもふくよかな懐かしい音が蘇ってきます。
倍音が非常に美しく魅力的に聞こえてきます。
当時のウィーン・フィルのローカル色を前面に出した、
極めてノスタルジックな音と言ってもいいかもしれません。
同年代の他の指揮者によるウィーン・フィルの音とは異なり、
クナッパーツブッシュがウィーン・フィルから引き出した音は、
クナッパーツブッシュ自身のノスタルジーであるのかもしれません。
小生も含め、
多くの方はポリグラム盤に軍配を上げると思いますが、
SEDAN 9で聞いた後は、
すこし違っているのではないかと思い至っています。
チャイコフスキー/「くるみ割り人形」組曲
シューベルト/軍隊行進曲
ウェーバー/舞踏への勧誘
もさることながら、
ニコライ/「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲の、
香り立つようなふくよかなノスタルジーの香りは、
キングレコード盤の方が濃厚で、
その豊かさに身を委ねていたくなります。
キングレコード盤はよく中古市場に出てきますので、
ポリグラム、ユニヴァーサルのCDを聞き比べるのは、
非常に面白いと思います(クナッパーツブッシュ・マニアだけか^^;)。
演奏・録音は同じなのに、
そこから受ける印象は異なります。
なお、販売はブラックになります。
SEDAN 9
型式:2ウェイ バスレフ型 ブックシェルフスピーカー
定格出力:120W
ミュージックパワー:180W
再生周波数帯域:33Hz~65,000 Hz
クロスオーバー周波数:2800 Hz
能率 (dB/1W/1m):85 dB
インピーダンス:8 Ω
ツイーター:quadral quSENSE® リボン型
ウーハー:180 mm φ quadral ALTIMA®
レベルコントロール:トゥイーター±2dB
外形寸法 (高さx幅x奥行):39 x 23 x 35 cm
重量:14.5 kg(1本)
価格:570,000円(税別・ペア)
なお、SEDAN 9(ブラック)は入荷しております。
全国のQUADRALを扱っていただいている、
オーディオ専門店でご注文可能です。
ぜひ専門店でご注文ください。
ただ、近くにオーディオ専門店がない、
あるいはネットショップなどでアカウントがない、
という方は、以下からご注文可能です。
SEDAN 9
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