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帰ってきたASCENT20LE試聴記 その2

公開日: : 試聴記, QUADRAL, ROCK, ASCENT20LE

ビートルズは、
小生が子供のころから、
リアルタイムで接してきたアーティストです。
今はお国元のイギリスでも、
ビートルズを知らない世代が増えているそうで、
隔世の感があります。
自分が年を取っただけなのですが...。

1966年のビートルズ来日時、
小生は中学生で、
LPでは「ラバーソウル」時、
「リボルバー」の発売前でしたが、
テレビで初めて見た生ビートルズに、
素直に感動したものでした。
ジョン・レノンの鼻を見て、
「やっぱり鼻が高いな、
イギリス人だな、
日本人とは違うな」
てな、変な感心をしたものでした。

実は当時、
ビートルズは女の子がキャーキャー言うバンドで、
男の子は質実剛健ベンチャーズ!という時代でしたが、
ビートルズの来日によって、
一気にその流れが変わったようなところがあります。
下手でもオリジナル...というような。
それに、ベンチャーズでは女の子にもてないけど、
ビートルズだったら女の子にもてるというような。
バックグランドでは、
男の子のアンチ・ビートルズとして、
後にグループサウンズで盛んにコピーされた、
ローリング・ストーンズの流れもありました。
実は、ビートルズは非常にコピーしずらいバンドだったからですが。
結局は統合された人気になってしまいます。

来日前から、
ビートルズの17cmシングル盤をあれこれ購入、
楽しんでいたのですが、
やはり30cmLPが欲しくなります。
「リボルバー」がリリースされ、
飛びつくように購入、
お小遣いやお年玉を貯めては、
ビートルズの「リボルバー」以前のLPを遡るように買いました。
懐かしい思い出ですね。

でも、
そのLPに満足していたのかというと...
ちっとも満足していませんでした。
というより、
不満ばっかりでした。
17cmシングル盤で聞いていた、
その音が生きているような感じがちっともしないのです。
当時、悪友たちもレコードをあれこれ持っていましたが、
例えばアニマルズやドアーズのレコードにも同じことが言え、
シングル盤で得られた感興と、
LPで得られる感興が全くと言っていいほど違うのです。
45回転と33回転の違いだけではなく、
シングル盤はモノラル、LPはステレオで、
LPでは左右泣き別れの録音が多かった言うこともありますが。
そのため、
LPは「たくさんの楽曲を詰め込んだ音の缶詰」という印象でした。
当時、大流行していたウォーカー・ブラザーズもそうでしたね。
高校時代に一所懸命コピーしたヴァニラ・ファッジやクリームも...。

小生もおじさんになり、
CD時代になって、
あれこれビートルズのCDを購入しました。
懐かしいですし、
やはりそこが青春真っただ中でしたから。
ところが、
CDもLPと同じ、
子供時分に聞いた生きた音がしないのです。
「まぁ、こんなものか」で、
長い間済ませてきたわけですが、
最近、CDの音をPCで取り込んでいろいろ加工する...
ということを覚えてしまいました。
普段、実験しているのはクラシックのCDばっかりです。


ある時、
「じゃあ、ロックやジャズではどうなんだ?」と思い、
ビートルズのCDに手を出しました。
「1」という、
ビルボードでNo.1を獲得した楽曲を集めたアンソロジーです。
売り出された時、
「音が良くなった」という触れ込みだったと思います。
でも、一聴、それほど音が良くなったとは思えません。

で、加工(^^)。
RIAAカーブで反転をかけ、
AUDACITYというソフトには、
「RCA 45」というカーブがありますので、
それを被せてみました。
当時のシングル盤のカーブがレコード会社によってどうだったのか、
よく分かりませんが、
AUDACITYの45回転カーブはこれだけなので、
まあ、良しとしましょう。
聞いてみると...、
おお!これこそ子供時分に聞いて胸躍らせた音に近いのではないか?
と思える音でした。
古い録音はさらにステレオからモノラルにダウンして聞いてみます。
ありゃま~!というほど、昔貧弱なプレーヤーで聞いていた、
それでも興奮を呼び覚ますロックの音です。

考えてみると、
昔、ラジオから流れてくるビートルズの楽曲も、
LPではなくシングル盤の音でした。
カーブを変えると音が一転、
死んだ魚の目のような生気のない音が、
まるで生き返ったように響きます。
特に、ビートルズの初期楽曲でそのことが言え、
「そうだよなぁ、この音でビートルズに痺れたんだよなぁ」
と思い出すのでした。
アンプのボリューム(音量)をそれほど上げなくても迫力は増しますので、
こういう聞き方もありだな...と再認識しました。

ASCENT20LEは、
どちらかというとクラシック向きのスピーカー...
という言う印象がありますが、
実はジャズやロック・ポップスでもその威力を発揮します。
周波数特性の恩恵が大きいということ、
後ろすぼみの独特の形のエンクロージャーが、
ユニットの性能を引き出す大きな力になっているようです。
それに、トゥイーターの指向性がしっかりしているので、
オルソン式に三角形の頂点とトゥイーターの位置に耳を持ってくると、
聴感上の大きな効果が得られます。
小生は、少し頂点から外した方が好みなのですが、
ASCENT20LEをいろいろ試していると、
さまざまな発見ができて面白いです。
加工したビートルズの音楽が、
しっかりと迫力を持って迫ってきます。

いろいろとやってみるもんです。

kna_baka_syuzo

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