TGTS01 試聴記 その2
公開日:
:
最終更新日:2020/08/26
試聴記, CLASSIC, SOUND MAGIC
4mm+4mm厚合わせガラスターンテーブルシートの、
試聴記を始めます。
色々なLPを聞いてゆく中で、
「名盤」と言われながら、
そのLPの音に、
頭に?が浮かぶことがよくあります。
プレーヤーの調整不足だった、
ということもあり得ますが、
その、気になるレコードから取り上げます。
まず、オイゲン・ヨッフム指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
ブルックナー:交響曲第8番のEMI国内盤LP。
定盤のはずが、
CDではさらにひどい音になりましたが、
国内盤LPもなんだかモヤっとしていて、
なかなかその演奏の真価を聞くことができませんでした。
東独ETERNA盤の音はまた違うそうですが、
残念ながら未聴です。
今回、4mm+4mm厚の合わせガラスターンテーブルシートで、
さらにイコライジングカーブをAESにしてみました。
EMIだから、RIAAカーブかColumbiaカーブかと思ったら、
少し違うようです。
このカーブが本当に合っているかどうは別問題、
大切なのは、自分のシステムでどう聞こえるか?
です。
今まで、少しモヤっとしていた音が、
明瞭な音になり、左右バランスもよくなるようです。
ヨッフムのブルックナーは、
情熱型のブルックナーで、
熱を持って楽曲を追い込んでゆきます。
最近の同曲の演奏とは少し異なります。
聞き直すと、
今となっては異色ともいえる演奏録音です。
次に、
同じEMIのクラウス・テンシュテット指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
マーラー:交響曲第5番の国内盤LP。
オリジナルのイギリス盤やドイツ・プレスも聞いてみたいですが、
輸入の中古盤はなかなか高価で、
昔買った国内盤で我慢(^^;。
最初トランペットで静かに始まり、
一気に盛り上がりますが、
グランカッサを交えた強奏で音が歪みます。
そのトゥッティでの音の歪みは楽曲が進んでも同じように歪んでしまい、
聞いていて少しストレスが溜まります。
イコライジングカーブをRCAにしてみます。
え?RCAとEMIはライヴァルなんじゃ?
ということは無視して、
一番聞きやすいカーブにしてみます(^^)。
トゥッティでの音の歪みは完全には払拭できませんが、
それでも、普通のRIAAカーブや、
EMIに割と多いClumbiaカーブよりも随分と聞きやすい...。
さらに、RIAAカーブでは左寄りに聞こえていた音像が多少解消されます。
テンシュテットによるマーラー:交響曲第5番は、
ライヴを含めて数種類の演奏録音が残っていますが、
このセッション録音でも、
テンシュテットは見事に聞き手をマーラーに没入させてくれます。
今回最後は、
アリシア・デ・ラローチャのピアノで、
「スペイン音楽リサイタル」と題されたアルバム。
DECCA...日本ではLONDONの国内盤LPです。
ラローチャはスペインの作曲家によるピアノ曲を数多く録音していますが、
その中からいろいろ集めたオムニバスアルバムです。
ffrrカーブで聞いてみました。
RIAAカーブで聞くよりも、
ピアノのボディがより適切に聞こえてきます。
有名な旋律も多く、
これはもう1曲目から、
何も言うことがないくらいに、
天国的な気分を味わえました。
4mm+4mm厚のガラスの徹底した安定度はさすがで、
レコードの最後まで、
そのクオリティが持続するのは素晴らしいです。
お陰で、A面が終わった...
ということに気が付かなかったほどです。
フルマニュアルのプレーヤーを使っていますので、
こういう時はセミオートがありがたいですね(^^;。
4mm+4mm厚合わせガラスターンテーブルシートの魅力は、
その安定度にあります。
プラッターとレコードの間に挟まるわけですが、
ガラス臭さが全くなく、
解像度が非常に良くなって聞えます。
特に小生の古いTORIO KP-7700はアルミダイキャストのプラッターですので、
その効果の高さが倍加されるようで、
正に「ガラスの驚異」といっていいほどです。
KP-7700付属のターンテーブルシートも独特の工夫がしてあり優秀ですが、
経年変化はありますし、
実際に4mm+4mm厚合わせガラスターンテーブルシートに変えてみて
「驚いた」、
というのが素直な感想です。
ダイキャストプラッターのプレーヤーを使っているレコードファンにとって、
福音となるアイテムです。
どういうシステムで聞いているかはTGTS01 試聴記 その1に。
商品の紹介はこちら
kna_baka@syuzo
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