TGTS01 試聴記 その10
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試聴記, CLASSIC, SOUND MAGIC, ROCK
小生が試聴に使っているのは試作品です。
発送前のTGTS01も試聴しましたが、試作品よりもずいぶんといいですね(^^)。
なお、TGTS01はSONIC IMPACTというブランド名での発売です。
今まで、
LPをカーブ可変式フォノイコライザーで楽しんできました。
でも、LPの音をパラメトリックイコライザーを通す...
ということはやっていませんでした。
ところが、
イコライジングカーブには気になるカーブがあります。
New Orthophonicというカーブで、
イコライジングカーブの解説を見ても、
New Orthophonic=RIAAカーブと書いてあるものがほとんどです。
そのためか、カーブ可変式フォノイコライザーには、
New Orthophonicというカーブを持っているものはほとんどありません。
自由にイコライジングカーブを選択できる、
パソコンのAUDACITYというソフトでも、
New Orthophonicはありません。
自分で作ったら別ですが。
でも、多くのレコードでNew Orthophonicがうまくはまる...と言う意見があり、
ホンマかいな...ということで、
パラメトリックイコライザーを使って、
New Orthophonicに近い音が得られるかどうかやってみました。
考えたら、
この作業はグラフィックイコライザーの方が向いているようですが、
家にはパラメトリックイコライザーしかありませんので、
とりあえず(^^;。
基本、LPはRIAAで再生します。
New OrthophonicはRIAAの周波数に各2デシベル程足した音、
という情報がありますので、
パラメトリックイコライザーの3段階の周波数切り替えを、
それぞれ一つまみずつ増やしてやります。
Qカーブはやや大きめにしてみます。
New Orthophonicもどきですね(^^;;;;。
スピーカーでモニターすると騙されるので、
ヘッドフォンでモニターしてみました。
まず、名盤の誉れ高い
イシュトヴァン・ケルテス指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
これはSACDやハイレゾまで、
さまざまな復刻がなされていますが、
小生は残念ながら聞いたことがありません。
LPでは国内初期盤が手元にありますので、
まず、それを聞いてみました。
ジャケットはボロボロで、
表記は古く、交響曲第5番「新世界より」となっています。
ffrrかも知れませんが、今回はあくまで実験です。
個人的には、ケルテスの「新世界より」は、
ロンドン交響楽団との全集盤録音の方が好きなのですが、
ウィーン・フィルとの録音も素晴らしいですね。
おお!通常のRIAAカーブに比べて、
New Orthophonicもどきは、
各楽器の音が前に出てくるような感覚です。
音場感も素晴らしく、
普通にRIAAカーブで聞いている時よりも、
断然、音楽が輝いて聞えます。
この実験は、
プレーヤー付属のゴムシートでは、
恐らく思いつかなかっただろうと思います。
TGTS01で、
LP最外周部と最内周部が同じクオリティで聞けてしまう...
ということからやってみる気になりました。
次に懐かしのビートルズ
ザ・ビートルズ
アビー・ロード
このLPは東芝赤盤で、知人からのいただきものです。
ビートルズは子供時代から小生にはリアルタイムでした。
1966年に来日するまで、
男子には質実剛健ベンチャーズに人気があり、
ビートルズは、
女子が「キャーキャー」騒ぐバンドというイメージでした。
それがひっくり返ったのはビートルズの来日でした。
小生もリアルタイムでテレビ放映を見て、
「へたくそでもオリジナルで本物!」と、
ジョン・レノンの鼻の高さともどもいたく感激、
一発でビートルズのファンになりました。
しばらく、ビートルズの以前のアルバムを遡ったり、
新しいリリースは飛びついて買うなど、
ビートルズのアルバムを追いかけましたが、
途中でプログレ(当時はアートロックと呼ばれていました)に
シフトしてしまいましたので、
「アビー・ロード」は持っていませんでした。
でも、国内盤は東芝赤盤なのですね。
いかにも古い(^^;。
東芝赤盤には、
前にも書いた通り、
あまりいい印象はありませんでしたが、
今回、TGTS01とNew Orthophonicもどきで聞いてみて、
音が良いのに驚きました。
B面「ヒア・カムズ・ザ・サン」はステレオの左右泣き別れですが、
「ビコーズ」のミキシングは凄いですね。
この2曲はモーグ・シンセサイザーがポップス・アルバムに使用された、
最初期のものでもあります。
「アビー・ロード」以前の、
ステレオでの左右泣き別れの不自然さはなく、
しっかりと左右のバランスをとってミキシングしてある曲も多く、
割と自然な音場感で楽しみながら聞くことができました。
TGTS01のリニアリティのよさは抜群で、
A面B面、最後の曲で音が歪んじゃう...
ということなく聞き通せてしまいました。
TGTS01のリニアリティには驚くべきものがあります。
実は小生、B面全部を聞いたのはこれが初めてで、
B面が終わった...ということが全く分からず、
しばらくしてから、
ポツポツという音に気が付いてピックアップを上げたのでした。
いろいろやってみるもんだなと思います。
どういうシステムで聞いているかはTGTS01 試聴記 その1に。
商品の紹介はこちら
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